カネカの育休・有休問題の炎上の流れとその後のまとめ&今回の炎上転勤辞令についての個人的見解

カネカ 仕事・働き方

今回で、カネカ炎上の件を扱うのは2回目。

それだけ掘り下げる価値がある『注目すべき一件』だと思っているので、もう一度語らせてください!

ちなみに、前回の記事はこちら。

カネカ炎上で株価まで下落。そもそもカネカに非はあるのか?
先日から、カネカによる「とある転勤命令から端を発した出来事」が炎上中です。 この出来事を要約すると、、、 40代で夫婦共働き。 夫は「カガクでネガイをカナエル会社」で有名なカネカの正社員。 2019年1月に子供が...

騒動の発端を要約すると、

関東在住のカネカの社員(夫)が育休中に、購入したばかりのマイホームへの引っ越しを完了させ、生まれたばかりの子供の保育園も決まって職場復帰したところ、その2日後に「3週間後に関西へ転勤」という辞令が下りた。 転勤は仕方がないが少し猶予が欲しいと願い出るも却下。 それならば退職するので有休消化をしたいと言うとこれも却下。 結果的に5/31付けで退職。 この流れについて、妻がツイッターで「パタハラだ」とぶちまけたところ炎上に発展】

ざっくり言うと、こんな流れです。

この炎上によって、カネカの株価は年初来安値となってしまうほど暴落しました。

まあ、すぐさま回復はしましたが。

炎上までの流れを時系列で

カネカ炎上スタートからその後の流れ

■6/1 : 5/31付けでカネカを退職した夫の妻が、ツイッターでカネカをほぼ名指しで批判し火がつき始める

■6/2 : 炎上まっしぐらの中、カネカの公式HPから育休について触れている「ワークライフバランス」についてのページが削除

■6/3 : 日経ビジネスが、元社員の夫とその妻に行なったインタビュー内容と、カネカ広報からの返答を記事化

■6/4 : カネカの社長が全社員宛に送ったとされる一斉メールが流出

■6/6 : カネカ広報から公式発表が行われる

■6/7以降 : 「カネカ公式発表の内容」や「妻によるツイートへの違和感」といったことに対して、これまで以上に大手媒体・個人媒体が入り乱れつつ記事を公開

こうして、一時期ほどの炎上ではないものの、6/17現在でもまだブスブスと燻っています。

炎上内容としては、カネカへの批判もありつつ、「妻も妻でどうなの?」という状況。

それでは、個別に見ていきます。

カネカ元社員の妻によるツイートがスタート

始まりは2019年6月1日。

5/31付けでカネカを退職した夫について、妻がツイート開始。
その内容は、『カガクでネガイをカナエル会社』という、ほぼカネカ名指しとも言えるタグを付けてのツイートでした。

そのツイートにて、当記事冒頭に書いたような「転勤は受け入れるが猶予が欲しい」という主張をするも却下。
有休消化も却下。

その結果、5/31付けでの退職ということになります。

それに対し、妻がツイッターで愚痴のような形でつぶやきます。

それが瞬く間に拡散し、多くの人が同調。
炎上がスタートしました。

カネカ公式HPから『ワークライフバランス』のページが削除

そんな中、カネカの公式HPから、育休などについて触れていた『ワークライフバランス』のページが削除されました。

カネカは、『くるみんマーク』を取得している会社。

くるみんマークは、子育てサポート企業』として厚生労働大臣の認定を受けた証。
つまり、男性の育児参加についても積極的に考えている企業に認可が下りやすいマークとも言えます。

子供が生まれた際の男性の育児参加と言えば、育休を取得して子供の面倒を見て、家族のサポートをするということが真っ先に浮かびますよね。

この元カネカ社員は、これを忠実に実行した形になるわけです。
国や企業が謳う『ワークライフバランス』を実行に移したんですね。

それなのに、6/2、そのワークライフバランスのページは公式サイトから削除されてしまいました。

その理由は、『システム障害』とのこと。

6/3にカネカ公式HPのお知らせページに掲載された内容を引用してみます。

昨日はアクセスの集中により一時的に当社HPに繋がりにくい状態が発生しておりましたが、
現在は、能力増強など実施し、安定運用に努めております。

また昨日ワークライフバランスの項目については、HPを削除しておりません。
2月にHPをリニューアルし、内容を再編いたしました。
ワークライフバランスについては、採用情報『多様性の推進に向けて』の中で引き続きご説明しております。
内容は、ライフイベントとキャリアの両立支援についてまとめております。
2月にHPをリニューアルした際に、旧サイトは全て削除するべきところ、一部が残ってしまいました。
混乱を招いたことについてお詫び申し上げます。

■引用元 : 6月2日のシステム障害について

ワークライフバランスページの削除、そしてこの発表内容。
これがさらに炎上を加速させていきました。

もし本当にシステム障害であったりリニューアルの遺物が残っていたり、ということが原因であったとしても、ワークライフバランスページを消したのは強烈な悪手と言わざるを得ません。

刑事裁判における原則は、『疑わしきは罰せず』。

しかしWeb上においては、『疑わしきは罰しまくる』となってしまうのです。

そう、ただ『罰する』のではなく、『罰しまくる』。
少しでも怪しい動きがあれば、集中砲火を受けてしまいます。

カネカは、このWebにおける文化を理解しておくべきでした。

あまりにタイミングが良すぎるので、僕も意図的に消したものとは思っていますが、もし仮に消すべきページだということが分かったとしても、このタイミングで消しては駄目。

少しでもネットについてのリテラシーがある人がいれば、こんな愚行に踏み出すことはなかったと思いますが・・・

日経ビジネスで報じられ、慌てて社長から社員に向けて一斉メール

言わずもがな、といった大手媒体『日経ビジネス電子版』。

6/3、この媒体にて、カネカ元社員&妻のインタビュー内容と、カネカ広報によるやや杜撰な対応について掲載されてしまいました。

僕がこの日経ビジネスの記事を読んだ時の印象は、「真実は分からないけど、この記事内容だけだと完全にカネカが悪者だな」という感じ。

片一方(退社した夫とその妻)は、被害者として自由に主張する。
もう片一方(カネカ)は、会社としてまだ答えが出ていない状況ではフワっと回答せざるを得ない。

この土俵では、カネカに勝ち目はありません。
フワっと答えるくらいならば、「調査中」の一言でしのぎ続けるべきだったと思います。

 

こういった案件は、お互いの言い分を聞かないと答えは出せないもの。

なので、まずはカネカの公式見解待ちだと思っていました。

しかし6/4、こんな情報が流出します。
それは、カネカの社長が全社員に向けて送ったとされるメール

2019年6月3日

社員各位

社長

昨日6月2日より、SNS上に当社に関連すると思われる書き込みが多数なされていますが、正確性に欠ける内容です。

育児休業休職直後に転勤の内示を行ったということはありますが、これは育児休業休職取得に対する見せしめといったものではありません。

十分な意思疎通ができておらず、着任の仕方等、転勤の具体的な進め方について当該社員に誤解を生じさせたことは配慮不足であったと認識しております。

春の労使協議会でも述べたとおり、「社員は最も重要なステークホルダー」であります。

今回のような行き違いを二度と発生させない様、再発防止に努めます。

以上

■引用元 : カネカ続報、「即転勤」認める社長メールを入手(日経ビジネス電子版)

本当に大企業の社長が送ったのだろうか?と疑ってしまう文面。

違和感を感じたのは、

■全体的に抽象的すぎて、誤解が解けるような内容ではない

■送り主が個人名ではなく『社長』になっている

・・・の2点。

疑惑を晴らしたいのならばもう少し真摯に語るべきだし、送り主として社長の個人名が書かれていないことも不思議。

人事部や秘書などが忖度して勝手に送ったのでは?と思ってしまうくらい。

なんにせよ、このメール文の流出も、カネカにとっては打撃でした。

いよいよカネカが公式発表

そして迎えた6/6。
ついにカネカが公式な発表をしました。

株価が年初来安値をつけてしまうほどの騒ぎになったのだから、何かしらの対処をするというのは当然の事でしょう。

発表されたのは5項目。
それぞれ見ていきます。

1.  6月2日に弁護士を含めた調査委員会を立ち上げて調査して参りました。 6月3日には社員に向けて、社長からのメッセージを発信致しました。 更に、6月5日に、社内監査役及び社外監査役が調査委員会からの報告を受け、事実関係の再調査を行い、当社の対応に問題は無いことを確認致しました。

■引用元 : カネカ公式HPのお知らせページ

迅速に調査委員会を立ち上げていたこと。
そして社外監査役も含めた再調査まで行なっていたこと。
その上で問題がなかったと判断したこと。

これらを簡潔に伝えている内容であり、問題に対して真摯に取り組んでいたという姿勢が伝わってきます。

出だしとしてはばっちりだと感じました。

2.  元社員のご家族は、転勤の内示が育児休業休職(以下、育休とします)取得に対する見せしめである、とされていますが、転勤の内示は、育休に対する見せしめではありません。 また、元社員から5月7日に、退職日を5月31日とする退職願が提出され、そのとおり退職されております。当社が退職を強制したり、退職日を指定したという事実は一切ございません。

■引用元 : カネカ公式HPのお知らせページ

退職日が5/31となった原因とされる「有休の却下」について触れられていないことが気になりました。

育休取得による見せしめ(パタハラ)の問題は、双方ともに明確に証明するのは難しいもの。

しかし、有休の却下については比較的証明しやすいはず。

書類なり証言なりで、有休の申請があったことを完全に隠蔽するのは難しいはずなので。

従って、あえて有休には触れていないのかな?という気がしてしまいます。

公式発表から10日以上たった今でも追加発表がないし、炎上も収束気味ということで、有休の件についてはなし崩しで終わってしまうのかもしれません。

3.  当社においては、会社全体の人員とそれぞれの社員のなすべき仕事の観点から転勤制度を運用しています。 育児や介護などの家庭の事情を抱えているということでは社員の多くがあてはまりますので、育休をとった社員だけを特別扱いすることはできません。 したがって、結果的に転勤の内示が育休明けになることもあり、このこと自体が問題であるとは認識しておりません。

■引用元 : カネカ公式HPのお知らせページ

この部分について、ツイッターなどを見ると批判的な意見も多いですが、個人的には理解できますし同意もできます。

社員のことを大事にするのは当然のこととはいえ、社員一人一人の事情を細かく把握・配慮した上で、一切社員の負担にならないように異動や転勤を決めていたのでは恐ろしく非効率だし、そもそも組織として成り立たせるのが難しくなります。

会社という組織に属した以上、業務に関して発せられた辞令に対しては、よほどのことがない限り忠実に従うべきというのが一般論。

育児や介護、住宅購入直後、子供の進学、夫婦共働き、本人や家族の健康問題など、30~40代ともなれば何一つ問題なく転勤ができる人などほとんどいません。

誰かに対しての特別扱いを始めれば、それが前例となり、今後も特別扱いが頻発することになってしまいます。
そうなってくると、ガバナンスがぐだぐだになりますよね。

 

・・・と、多くの大企業がこう考えているだろうから、カネカも同様の認識を持っているためこういった発表に至った、ということには特に違和感はないです。
良いか悪いかは別として。

そして何より、「転勤がある」ということは入社時に同意しているはず。

同意した以上、原則、素直に応じるのが当然だというのが今の世の中の風潮。
徐々に変わってきているとはいえ、まだまだ根強く残っている考え方です。

そして「いつ遠方への転勤辞令が下るかわからないのは嫌だ」というのならば、

■エリア限定での雇用契約を結ぶ
■そもそも転勤のない会社を選択する
■サラリーマン以外の行き方を選ぶ

・・・など、いくらでも方法はあるため、転勤の場所や時期についての不平・不満は通りづらいもの。

よって、「育休を取った社員を特別扱いできない」というこのカネカの主張は特に問題視されるものではないと思います。

4.  社員の転勤は、日常的コミュニケーション等を通じて上司が把握している社員の事情にも配慮しますが、最終的には事業上の要請に基づいて決定されます。 手続きとしては、ルール上、内示から発令まで最低1週間が必要です。 発令から着任までの期間は、一般的には1~2週間程度です。 転勤休暇や単身赴任の場合の帰宅旅費の支給といった制度に加え、社員の家庭的事情等に応じて、着任の前後は、出張を柔軟に認めて転勤前の自宅に帰って対応することを容易にするなどの配慮をしております。

■引用元 : カネカ公式HPのお知らせページ

転勤の準備期間として、1~2週間が一般的というのはその通り。
国内転勤ならば、どこの会社もこれくらいの期間でしょう。

そして、「転勤休暇や帰宅旅費の支給」などのサポートをしっかりしているという部分。
これも事実だと思います。

調べてみたところ、実際にカネカは福利厚生が手厚い模様。

現役社員や元社員が書き込む会社評判サイトなどでも、とにかく福利厚生の良さについての意見が多かったです。

中には、独身寮や社宅の画像をツイートし、制度の充実をアピールする人も。

なので、「多少厳しい状況での転勤を命じることもあるが、そのための配慮・サポートはする」というこの部分も特に問題ないように感じました。

『カネカ』と『退職した夫』との間の心理戦があった?

ここまでの4つの項目は、有休の問題以外は特に引っかかる部分はありませんでした。

しかし・・・

最後の項目にて、大いに引っ掛かる部分が。
それも2つ。

この項目がキーポイントではないでしょうか。

5. 本件では、育休前に、元社員の勤務状況に照らし異動させることが必要であると判断しておりましたが、本人へ内示する前に育休に入られたために育休明け直後に内示することとなってしまいました。 なお、本件での内示から発令までの期間は4月23日から5月16日までの3週間であり、通常よりも長いものでした。 また、着任日を延ばして欲しいとの希望がありましたが、元社員の勤務状況に照らし希望を受け入れるとけじめなく着任が遅れると判断して希望は受け入れませんでした。
着任後に出張を認めるなど柔軟に対応しようと元社員の上司は考えていましたが、連休明けの5月7日に、退職日を5月31日とする退職願が提出されたため、この後は、転勤についてはやり取りがなされませんでした。このため元社員は転勤に関しての種々の配慮について誤解したままとなってしまったものと思います。

■引用元 : カネカ公式HPのお知らせページ

冒頭の、「育休前に転勤が決まっていたが、本人に伝える前に育休に入られたので伝えられなかった」という部分。
ここについては大いに疑問に感じます。

転勤が決まっているのならば、育休に入ろうがなんだろうが、一言連絡することくらいはできなかったのでしょうか?

もしかしたら、「育休中の社員には一切業務連絡をしてはならない」というルールがあるのかもしれません。

そうだったとしても、上司が個人的に一報入れるとか、人事から返信不要のメールを一通送るとか、その程度のフレキシブルな配慮はあっても良かったでしょう。

なぜ、この程度の配慮をしてあげられなかったのだろう。
何か事情があったのか・・・?

 

以上、ここまではカネカ側への引っ掛かり。

そしてもう一つ引っ掛かったのが、

「転勤する日を延ばして欲しいと言われたが、元社員(5/31に退職した夫のこと)の今までの勤務状況を考えると、一度延ばすとけじめなく転勤する日が延びてしまうかもしれないと判断したので却下した。」

・・・という部分。

これは遠回しに、退職した夫の勤務態度に何かしらの問題があった、と言っているように見えます。

ここで思い当たるのが、2019年1月に妻が行なったツイート。

こちらのツイートは既に削除されていますが、実はこのツイートの中で、【夫が起業準備中である】ということがはっきり書かれていたのです。

夫が独立起業しようとしていたという件については、非常に信ぴょう性が高いです。

まず、妻が実際にそう呟いていたこと。
夫も、転勤する日を延ばしてくれないというだけですぐさま退職を選んだこと。

この2点だけで、ほぼ決まりでしょう。

 

普通のサラリーマンは、転勤が嫌だから即退職、という選択肢を選ぶことは少ないです。

治安に問題がある外国への転勤辞令ならまだしも、関西が本社の会社に属していて関東から関西への転勤が命じられたくらいで、退職まで決意するでしょうか?

独立起業を考えて実際に準備もしていたから、このタイミングですんなり辞めた、と考えるのが自然です。

夫のそんな考えを、カネカは知っていたのかもしれません。

そこで、今一度企業人としての意識を持たせ、モチベーションを上げさせようと考えて、本社がある関西への転勤を命じたのかもしれません。

と同時に、関西へ転勤となれば独立起業もやりづらくなるはず、という計算もあったのかも。

 

しかし、夫はなんとか1~2か月伸ばして欲しいと願い出た。
通常よりも長い『3週間』という準備期間を与えられたにも関わらず。

この申し出にカネカは、こう予想したのだと思います。

「この男は起業の準備をしている。 そんな状況での転勤の延期願い。 そして今は5月。 ということは、ボーナスがもらえる月である6月までなんとか転勤せずに引っ張って、ボーナスが出てから辞めようとしているのだろう。」

で、そうはさせるか!となり、転勤の延期を却下。

完全な僕の予想となってしまうのですが、おそらくこんな心理戦が繰り広げられていたのではないかと思いました。

 

夫としては、独立する気でいる以上関西に行くわけにはいかない。
でもボーナスは欲しい。

よし、延期が無理なら、有休消化でいこう!
とにかく、6月までは残るんだ!

そう考えるが、カネカは既にそんな考えを見透かしているのか、有休までも却下。

結局、ボーナスをもらうことは諦め、当初からの予定だった独立起業に向けて5/31で退職するに至った。

これが真実だったのでは?と僕は勝手に思っています。

どちらが悪いかで言えば・・・

今回の一件、果たしてどちらが悪かったのか?
それは、一概には言えません。
そもそも、完全な真実を知らないわけですし。

しかし、倫理的な部分を除けば、やはり『カネカが劣勢』と言わざるを得ません。

 

倫理・モラルはひとまず置いておき、法的な部分だけで個別に考えていくと、、、

 

■夫による独立起業を控えた中での育休取得 ⇒ 問題なし

■カネカによる育休明け直後の転勤辞令 ⇒ 問題なし

■夫による独立起業を控えた中での転勤日引き延ばしによるボーナス狙い ⇒ おそらく問題なしだがやや微妙

■カネカによる転勤日の延期却下 ⇒ 問題なし

■夫による独立起業を控えた中での有休消化によるボーナス狙い ⇒ 問題なし

■カネカによる有休却下 ⇒ 問題あり

 

・・・となってきます。

そう、完全にアウトなことをやってしまっているのはカネカなのです。
有休は、いかなる事情があろうと、申請があればどこかのタイミングで取得させなければ違法

なお、「夫による独立起業を控えた中での転勤日引き延ばしによるボーナス狙い」ですが、これがどうなるのかちょっとわかりません。

転勤する気がないのに、さも転勤する気があるように見せかけつつ転勤日の延期を申し出て、いざボーナスを受け取ったらすぐに退職、なんてことを仮にしたとすれば、それは問題にならないのでしょうか?

まあ、これは仮定に仮定を積み上げた生産性の無い考察なので、このあたりでやめておきます。

ふと疑問に思ったので、ちょっと書き残しておきたくなっただけなので。

 

ということで、単純に法的な部分だけで見ると、カネカが不利ということになってくると思われます。

法的に問題はなくとも、モラルも問われるべき

夫婦側には、確かに法的には問題はなさそう。

そういう意味では、夫婦側に同調する人も多くカネカが炎上してしまったということも自然なことでしょう。

しかし、法的に問題なければそれでよいのか?

僕から見れば、モラルの面で言えば夫婦側にも大いに問題があるように思えます。

 

少なくとも2019年1月の段階ではもう近いうちに辞めるつもりだったのに、4月に育休を取り、6月にボーナスを受け取り、そこで独立しようと考えていたのだとしたら・・・

カネカの経営陣や、カネカで頑張っている人たちからすれば決して良い気はしないでしょう。

育休もボーナスも、社員が正当に受けられる制度なのだからルール上はなんの問題もありません。
しかし、どこかしっくりこない。

 

さらにそんな中、腹いせとばかりに妻がほぼ名指しでカネカを批判するツイートを繰り出し、株価を暴落させるまでに至ってしまった。

自分たちにとって都合の悪いツイートはしっかり消しながら。
夫の独立起業についてのツイートも、しっかり削除されています。

 

妻は、日経ビジネスのインタビューで「組織の一員なので転勤することに不満はありません」と答え、不満なのは転勤の時期だと主張していました。

決めつけてはいけないですが、今回の一件の全貌を見ると、本当は転勤自体もする気がなかったように思えてしまいます。

しかし、それを言うと自分たちが不利になるので、あくまで「問題は転勤の時期なのだ」「なんでもっと配慮してくれないんだ」と論点をすり替えて主張することで、多くの人の賛同を得ようとし、見事狙い通りになったのではないかなと。

 

これについては、真相は闇の中。

夫婦が「それは違う」と言い張ればそれまでなのだから。

 

はっきり言って今回の件、カネカに落ち度があることは確かですが、この夫婦のモラルについてもちょっとどうなのかなと思ってしまいます。

転勤への考え方を変えるべき時がきたのかもしれない

いろいろ書いてはみましたが・・・

転勤の問題は、本当に難しいと思います。

最初は転勤ありに納得して入社しても、人の状況・環境・気持ちなどは刻々と変わっていくもの。

結婚するし、子供もできるし、親は老いていくし、自分も年と共に病気やケガに苦しむこともでてくるでしょうし。

なのに、「転勤あり、ってのは最初に伝えたよね?」を錦の御旗にして有無を言わせず転勤に同意させるというやり方は、もう時代にそぐわないものだという考えに変えていくべきなのかもしれません。

 

今回のカネカの転勤辞令。

公式発表にあった「元社員の勤務状況に照らし希望を受け入れるとけじめなく着任が遅れると判断して希望は受け入れませんでした。」の一文から、おそらく「この社員は独立起業を考えているようだから、本社へ転勤させて初心に帰ってもらおう」という意図があったのではないかと思っています。

しかしそうではなく、夫はまだ独立するつもりもなく、転勤辞令も通常のものだったとしたら、それはそれで配慮が必要だったのかもしれません。

「育休明け直後」
「マイホーム購入&引っ越し直後」
「生まれたばかりの子供の保育園が決まった直後」
「夫婦共働きなので妻の仕事の問題もある」

といった条件で、事前の話し合いもなく転勤が決まってしまうというのは、サラリーマンにとって本当に恐ろしいことでしょう。

 

昔ならば、こんなキツめの転勤命令も普通に許されたと思います。

それに従っておくことで、経済的な面では一生涯を保証されるのだから。

しかし、もはや終身雇用が保証されない時代に突入してしまった今、会社に盲目的に従うことはデメリットの方が大きくなってしまいます。

従って会社側も、今までのような強気なスタンスを改め、多少業務に支障があろうとも社員の状況を優先して考えるということも必要なのではないでしょうか。

例えば、今までは子供の進学問題程度では転勤拒否理由として許されなかったところを、子供が大事な時期を迎えているのならば1~2年ほど転勤を猶予したり。

「それをやってたら、転勤させる者がいなくなってしまう・・・」という会社側の苦悩も分かります。

しかしそこは、時代に合った転勤制度の見直しをして、可能な限り変革していくべきかと。
どんなに辛かろうとも。

それをしないと・・・またいつ、こんな炎上が起こってしまうかわかりません。

今回のカネカの一件は、全国の大企業に対して、そんな警鐘を鳴らしたものだったのかもしれませんね。

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