【安易に『健康』・『医療』のジャンルに手を出すな】
これは、今やSEO界では常識となっています。
SEOを少しかじったくらいの人でも知っているはず。
僕も重々承知していたわけですが・・・
ブログ開始とともに、あえて積極的にこのジャンルにも踏み込んでみました。
それは、「実際に自分で体験してみて、どれくらい厳しいかを体感したかった」から。
『健康・医療』という厳しいジャンルにあえて踏み込んだ理由
YMYLと呼ばれるジャンルの中でも、健康・医療についてはもはやオワコン。
専門家でない限り、どんなに頑張って記事を作成しても上位表示はまず無理。
この事実についてはもちろん知っていました。
しかし、「どの程度厳しいのか?」というところまでは、実際にやってみないと知り得ません。
「何事も出来る限り自分で体験してみる」が信条ということもあり、上位表示が難しくほとんど読まれないだろうとは思いつつも健康・医療ジャンルでもガンガン記事を書いてきました。
あとは、「長年パニック障害や自律神経失調症を持っていることから、健康や医療のジャンルには強い興味とこだわりがある」というのもこのジャンルで記事を書いてきた理由。
せっかくブログをやっているのだから、検索アルゴリズムにこだわらず書きたいことも書いていきたいんですよね。
ただただアクセス集めに躍起になるのもつまらないですから。
そういった理由から、これまで健康・医療ジャンルの記事も書き続けてきたのですが・・・
結論としては、YMYL関連、特に『健康・医療』に関わる記事はあまり書かないようにすることにしました。
YMYLとは
YMYLとは、「Your Money or Your Life」の略。
お金や健康といった人生における重大な要素のことを指し、このジャンルについて記事を書くならば『専門性』・『権威性』・『信頼性』について他のジャンルよりも更に厳しい基準が求められます。
YMYLに該当するのは、主に以下のようなジャンル。
■健康関連(医療・薬・病気・健康法・メンタル・サプリメントなど)
■法律関連(訴訟・離婚・相続・福祉・役所での手続きなど)
■重要ニュース関連(災害・公的機関・国際的な出来事など)
こうして列挙すると、なかなか数が多い・・・
そのうち、世の中にあるほとんどのジャンルがYMYLに該当してしまうのではないか?と思えてしまうほどです。
例えばグルメ情報だって「食は人間の三大欲求の一つなので、人生における重大な要素!」と言われてYMYLに加わるかもしれないですし。
「健康・医療」ジャンルで勝負するのはあまりに厳しい道のり
さて、こうしたYMYLの中でも、前述の通り『健康・医療』に関する記事についてはとりわけ厳しいフィルターがかかります。
どんなに頑張ってユーザーに求められそうな記事を書いても、『専門性』・『権威性』・『信頼性』がない時点でかなりの確率で弾かれてしまうわけで・・・
ちなみに、医者であれば問答無用でこの3つの要件が付加されます。
どんなにヤブ医者であろうとも。
逆に、独学でプロ顔負けの知識を得たとしても、医者だったり栄養士などの資格を持っていなかったりすると「所詮は素人」と判断され、どんな良記事を書いてもそう簡単に上位表示させることはできません。
資格を持っていない人が評価されるとすれば、
「プロ顔負けの良記事を書く ⇒ それを量産する ⇒ ユーザーが集まり出す ⇒ さらに良い記事を日々作り続ける ⇒ さらにユーザーが集まる」
・・・と、ここまでやってようやく、というところでしょう。
かなりの長い年月が必要となります。
それまでは、どんなに頑張って記事を書いても検索エンジン経由で人が訪れてくれることはまず期待できません。
あまりに報われないんですよね。
いくら「アクセスではなく、書きたいことを書ければいい」という気持ちがあっても、やっぱり読んでいただきたいという気持ちもあるわけで。
矛盾するようですが・・・
僕もここまで、健康・医療系の記事をいくつか書いてきました。
例えば、以下の通り。
しかし、検索結果は散々。
同じ悩みにぶつかった方のお役に立てれば!という想いを込めた記事でしたが、悩んでいる・迷っている人たちが打ち込むであろうキーワードでは全く上位表示できませんでした。
特に、
こちらの記事は、悩んでいる人も多いだろうと思い、12,000文字オーバーで実体験に基づいた独自性の高い内容を詰め込んだ記事でしたが、結果としては全然駄目。
健康アップデートがあって以来、こういった記事が厳しい事は重々承知していました。
しかし、それでも頑張れば評価してもらえるんじゃないか?という考えの元アタックしてみたのですが・・・
そう甘いものではない、ということが、実際にチャレンジしてみて痛いほどよく分かりましたね。
ということで、一旦健康・医療系のジャンルの記事は控えることにしました。
当ブログ『ウェブ日考』では、健康・医療だけの記事を書いているわけではないですし。
となると、下手したら何年頑張っても駄目かもしれません。
もちろん、検索順位だけを意識してブログを書いているわけではないので、今後も気が向いた時に健康・医療ジャンルでも記事を書かせていただきますが、かなり頻度は減ると思います。
『健康アップデート』により低品質記事は淘汰
健康アップデートとは、2017年12月6日に『日本国内のみ』で行なわれた、Googleによる健康ジャンルに対する大規模な検索アルゴリズムの変更のこと。
国内の健康・医療関連のサイトのみに絞った大規模アップデートという、極めて異例なものでした。
その影響は絶大で、医療・健康関連の検索の約60%に影響を及ぼすほど。
この変更は、医療や健康に関する検索結果の改善を意図したもので、例えば医療従事者や専門家、医療機関等から提供されるような、より信頼性が高く有益な情報が上位に表示されやすくなります。
このアップデートが行われるきっかけとなったのは、2016年に社会問題にまでなった『ディー・エヌ・エーによるキュレーションサイト騒動』。
キュレーションサイトとは、要は『まとめサイト』のこと。
厳密に言うと、「人力と自動化の割合」や「編集方法」や「運営方法」などによって違うとされる場合もありますが、明確な定義はありません。
結局のところ、キュレーションサイトとまとめサイトはほぼ同じものだと思って間違いないでしょう。
「まとめサイト」だと響きが悪いと思っている場合や、ちょっとカッコよく言いたい場合などに便利な言葉が『キュレーション』なのでしょうね。
この件で問題となったキュレーション事業を取り仕切っていたのは、『村田マリ』という女性だったと言われています。
この村田マリ氏が、ディー・エヌ・エーの与り知らないところで信義則に反するやり方を用いてキュレーションメディアを量産し、莫大な収益を上げていた模様。
具体的な手法としては、
①クラウドサービスを利用して1記事数百円で低品質なライターを大量に使う
②そういったライターたちが「記事や画像をパクる ⇒ いい加減なリライトをする」をひたすら繰り返す
③こうして出来上がった低品質な記事を、村田マリ率いるキュレーション担当の事業部はスルーして掲載
この流れで、各ジャンルにおいて大量の低品質な記事が公開されていきました。
しかし、ディー・エヌ・エーが持つドメインパワーの強さが物を言い、公開されたまとめ記事は上位表示を獲得しまくったわけです。
最も問題となったのが、健康・医療系のキュレーションサイト『WELQ』。
ジャンル的に一番間違いがあってはならないのに、アクセス至上主義となっていたキュレーションメディアを担当する事業部は、信ぴょう性の無い記事をどんどんアップしていき、これが後に大問題になったわけです。
2016年末には、ディー・エヌ・エーの幹部たちが会見を開いたほどの大騒動に発展。
しかし張本人とされる村田マリ氏は、『体調不良』という逃げる際によく使われる理由で会見を欠席。
今も雲隠れが続いています。
真実は今もわからないまま。
村田マリ氏には、責任の重さを理解して説明責任を果たして欲しいと願っています。
閑話休題。
こうして、健康・医療関連の記事はどんなに頑張っても有資格者でない限り上位表示が難しくなってしまいました。
しかし、これはこれで良かったのかなとも思っているんですよね。
こうしたフィルターが無ければ、「ユーザーなんて関係ない、ただアクセスが欲しい、ただ売り上げが欲しい」という腐った思考を持つSEOに詳しい人間が、簡単に上位表示を出来てしまうかもしれないのですから。
実際に、健康アップデートが行われる前までは「質の低いアフィリエイトサイト」や「情報に信ぴょう性の無いキュレーションサイト」などが検索上位に跋扈していました。
人の人生を狂わせるような間違った健康・医療情報が目に触れにくくなった。
これは、本当に素晴らしい事だと思います。
それらが一斉排除されたのは、健康アップデートの大きな功績でしょう。
個人のリアルな体験談にも価値はあるはず
さらにその後、「2018年8月1日」・「2019年3月12日」にも、他のアップデートと併せて健康関連の検索に対してのアップデートも行なわれ、一般人が健康関連のコンテンツ作っても上位表示させるのはほぼ不可能な状況になっています。
前述の通り、それはそれで良い事だとも思います。
デリケートな分野だけに、妙な情報に触れておかしな健康法を試してしまい大変なことになった、といった方が少しでも減ることは本当に有意義なことですから。
しかしその反面・・・
やはり、虚しさも感じるんですよね。
例えば、僕が約20年間付き合っているパニック障害。
パニック障害絡みの悩みを持っている人は多いと思い、同じく困っている人たちの助けになればと僕の実体験から得た情報について記事化してみました。
[関連記事]■ パニック障害改善の為、1年間催眠療法を受けて感じた効果【催眠術とは別物です】
[関連記事]■ パニック障害(主に予期不安)と自律神経失調症の為、半年以上漢方薬(柴胡加竜骨牡蛎湯・桂枝加竜骨牡蛎湯)を飲んだ結果
しかし、当然どれも検索結果には反映されず・・・
上位には医者やカウンセラーによる客観的な意見や見解ばかりで、「実際にパニック障害で苦しんでいる人や、治療や様々な対策法を実施してみた結果などの、生の意見」などはほとんど見当たらなくなってしまいました。
こういう実体験を記した記事は、読みたい人も多いはず。
事実、僕は読みたいです。
催眠療法や漢方薬での治療をやる前に、実際にどういった形で受けたのか、やってみた感想はどうだったのか、そういった生の声を聴きたかったですから。
僕がこういった治療にチャレンジしていた当時はまだ健康アップデート前だったので、いくらでも情報を集められました。
しかし今は、単純な検索ではなかなかリアルな体験談には辿り着けません。
杓子定規な医療サイトや、パニック障害になったこともないのに分かったようなことを言う医療関係者の薄っぺらいコラムなど、そんなサイトやブログばかりが上位に出てきてしまいます。
もっとこう、身銭を切って時間を使って、決死の覚悟で色々な治療法を試し、その結果について正直に書いているようなサイトやブログが見たいのに。
・・・と言いつつ。
結局堂々巡りになってしまいますが、そうは言っても健康・医療ジャンルには強めのフィルターをかけないと、また『WELQ』のようなデタラメな健康関連の情報が出回ってしまうかもしれません。
なので、やはり今の状況は仕方の無い事だとは思います。
有益な情報に辿り着ける可能性より、不利益な情報に辿り着いてしまうリスクを減らすことの方が重要だと思うので。
今は健康・医療ジャンルの記事を控えざるを得ない
ということで、現状を鑑みるに、今の当ブログの状態で健康・医療関連の記事を書くことにあまり意義が無いと判断し、一旦控えることにしました。
ただ、このウェブ日考がある程度人気ブログとなり、そこまで検索エンジンに頼る必要もなくなったその暁には・・・
バンバン健康関連のコンテンツも更新していきたいと思っています!
もちろん適当なものではなく、エビデンスに基づいていたり、実体験だったり、という信頼性を担保できるコンテンツに限って。
パニック障害に悩む人。
自律神経失調症に悩む人。
花粉症に悩む人。
その他、僕が自分の体で実際に試した健康関連の情報。
こういった『是非読んでいただきたい記事』・『困っている方のお役に立てる記事』についても、いつか読んでもらえるようになれれば幸せです。